アオリイカが見ている世界を妄想する

出展:シマノ


アオリイカが見ている世界は白黒 

魚は4色型の色覚センサーを持っていて、人(3色型)よりも色覚がカラフルだと言われています (ひと昔前まで、魚は色盲で色なんてわからないなんて言われていたが、どうやらそうではないようです)。

 一方で、アオリイカはやっぱり白黒の世界で生きているらしいです(アオリイカの網膜には色覚センサーがないので)。 あんなに大きな眼をしているので、「本当に⁉︎」と正直言いたくなりますが、現時点での研修成果としてはそう言われています (個人的には魚の研究のように、研究が進むことで実はアオリイカが見ている世界もカラフルだったというようなことがあると夢があるなと思いますが)。 


 アオリイカはサングラスをかけている

 ただ、アオリイカの眼の網膜には偏光レンズのような構造があることがわかっているんだそうです。 出展:アオリイカの秘密にせまる 


ここからは妄想ですが、、、 

とすると、その目の構造を使ってある特定の波長の光を取り出して視る(=不要な水中での偏光をカットする)なんてことがきっとやってるんじゃないでしょうか。そして、その時の天候、水色、遊泳層の光量や光量などを判断条件にして、最も餌(ベイトや甲殻類など)を捉えやすい波長の光を決めて取り出してるんじゃないでしょうか。

ただ、これも常に同じ波長の光だけを偏光しているとは考え難くて、効率的に餌を探すことを考えると、何種類かの光を繰り返し偏光して見ているのではないかなと思います。 だから、エギのカラーを状況に合わせて変えることが効果を発揮するんじゃないかと思いますし、地域によって効果的な色味が異なるということも説明できるんじゃないかと思います。 

また、もしかしたらアオリイカの体の色や模様の変化が作り出す偏光(イカの体で反射した光)も目の構造と関わりがあって、何かしらの情報のやり取りに使われているのかもしれませんね。そうでないと、カモフラージュにもならないあの変化を行う意味がないですし。 


 アオリイカは視力が良い 

ここで、アオリイカの視力の話をしたいと思います。 魚に比べてアオリイカは視力が良いと言われていて、自分よりもやや下向きを見ている時が最も視力が良く、0.63だそうです。 

出展:アオリイカの秘密にせまる 


アオリイカがエギを見ている時、やや下向きの視線で見るために変な角度になることがありますが、この時はエギをよく見て餌なのかどうかを眼で確かめようとしているんでしょうね。 そして眼からの情報から判断した結果「餌だと思う>餌じゃない」となればすぐに抱く行動に移行し、「餌だと思う=餌じゃない」だと、恐る恐るエギにさわるという行動をとるんじゃないでしょうか。 

そう考えると、やっぱりアオリイカをいかに視覚的に騙すかがエギングのキモで、色、挙動が大事になってきますね。


 アオリイカは紫外線をどのように認識しているのか? 

アオリイカの眼の網膜には偏光レンズのような構造があると書きましたが、普通その構造では紫外線はカットすることができません(偏光サングラスがUVカットをよく一緒に訴求していますが、これは偏光フィルムとUVカットガラスを組み合わせているからです)。 とすると、紫外線はきっと眼には入っているはずで、魚のように紫外線を認識できる機構があるなら、きっと紫外線も大事な要素のはずです。実際、魚の中には体の表面で紫外線を反射するものもいる(例えばキビナゴ 出展:魚の行動習性を利用する釣り入門)ので、紫外線が感知できるとそうした餌を見つけやすくもなるはずなので。 


また、エギにもケイムラカラーとして紫外線に反応するカラーが多数存在しています。実際これにイカが反応しているので、きっと何かしら検知しているのではと考える十分な根拠になる気がします。 


アオリイカの気持ちになって妄想することが大切

アオリイカの生態を調べた本もあまりありませんし、まだまだ未知の世界です。でも、釣りをしていると様々な行動をとるアオリイカを自分の目でみることができます。そうして得た情報と、わかっているアオリイカの様々な情報とを掛け合わせて妄想することで、アオリイカにもっと近づけるんじゃないでしょうか。 その方程式を自分で解いていくことが、釣りの楽しみのひとつでもあると思います。




tsurinista

tsurinista (釣りニスタ)は、某釣具メーカー社員が作る「様々な視点から釣りを楽しむための情報」が満載のメディアです。

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